いろんな形で写真にあらわれる 人の想い

『小暮写眞館I』の イラストブックレビューです。

古びた商店街にひっそりと佇む「小暮写眞館」。 都立三雲高校に通う花菱英一は、両親の趣味により、この写真館に住むことになる。 そして、弟を含めた家族四人の暮らしが始まった矢先、ひとりの女子高生が持ち込んだ 不思議な写真をめぐる謎に、英一自身も関わることになり……。 

英一の家族は、歳の離れた弟がひとり。 それから、幼い頃に亡くなった妹。 かわいい盛りに亡くなった妹と、よくできる弟の間で、なるべく両親を 困らせないように、そして弟の面倒を見るようにしてきた英一。 栄一の、家族に対してどことなく遠慮している様子が伝わってきます。 自分の家族の結束度が高いことも、他から指摘されて気がつく。 家族の中での『役割』をこなしていて、自分勝手な主張なんてしない。 思春期という時期に、ハッキリとではないけれどゆるやかに状況に 束縛されているみたいだなと感じます。 その英一が、持ち込まれた写真の謎を解いていくことで、次第に 自分らしさを発揮していく部分が見所ですね。 なんだよ、やれるじゃん!みたいな。 人と人との関わりとすれ違いから、写真上に現れる謎の現象。 それに取り組む英一が、自分の限界など設けずに、ひたすら 解決に向けて行動を起こすことで、人間的にもひとまわり 大きくなっていくようです。 家族内での役割以外のところで能力を発揮する英一が、今後 どのように活躍していくのか、目が離せません。

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