思わず笑みがこぼれる じいちゃんと猫の日常

『ねことじいちゃん (2)』の

イラストブックレビューです。

ばあさんに先立たれた大吉じいさんは猫のタマと

二人暮らし。猫と老人だらけの島で、肩寄せ合って暮らす

ひとりと一匹の物語。

ばあさんとの新婚時代を思い出しながら、新玉ねぎで

料理する春。

戦後の学生時代を思い出す夏。

近所の仲間と銀杏取りに気合いを入れる秋。

タマが何日か家出をして、じいさんを心配させた冬。

いつでもそばに猫がいます。

じいさんの生活は若い衆と違って慌ただしくなく、いつも

のんびりしているから、猫との暮らしのリズムはちょうどいいのです。

どう見ても自分の体より小さな箱に入ってみたり、梱包の

紐を見ればじゃれついてみたり。

家の中のいちばんいい場所でいつもくつろいでいたり、

新聞を読んでいると必ず邪魔しにきたり。

タマは大吉じいさんにとって、心をほぐしてくれる大切な存在。

タマが家出をして数日いなくなった時に、家の中にあるあちこちの

ものがタマに見えてしまう、大吉じいさん。

無事にタマが帰ってきて、嬉しさのあまりククッと笑ってしまいます。

そして、

約束してくれんか 

もしもの時がきてもひとりで逝かないでくれよ

わしらは同志じゃないか 

最後まで一緒だぞ

と語りかけるシーンでは思わず涙。

猫と老人だらけの島は非常に美しいロケーションです。

作者の淡い線画と色合いと、ほっこりした内容が合っていて、

読んだ人の心にゆったりと余韻を残す、やさしい作品です。

猫が好きな人には、タマのあらゆる行動やポーズに、にやけて

しまうシーンがたっぷりあるので楽しめると思います。

そして、大吉じいさんがタマに語りかける言葉が、またいいんです。

方言でやわらかくて、ホッとします。

日常のあちこちに落ちている小さな幸せを気づかせてくれる、

そんなねこマンガです。

ぬこのBOOK ROOM

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